デンマークで精神疾患患者を縛ったことに対する賠償

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークで精神疾患患者を縛ったことに対する賠償

デンマークでは、統合失調症を患う25歳の男性が、精神疾患病棟で13か月間ベルトで縛り付けられていたことを理由に、北ユトランド県に対し、1200万クローネ(約2億円)の損害賠償を請求しています。

男性の兄であり代理人であるモハメド・マッキ氏は、オルボーの精神病院で、弟が縛り付けられている様子を目撃していました。「縛り付けられている弟を見るのは辛いことでした。人間としての尊厳が辱められ、悲壮的になり、人生に疲れ、よく泣いていました。」

モハメド氏によると、男性の体重は拘束の間に2倍になり、何月も入浴しておらず、筋肉が弱くなってしまった為に、歩行が困難になっていました。「弟自身も、虐待を受けていると言っていました。地獄の穴に落とされて、生きていたのです。」

男性の弁護士であるトビアス・ステダーフェルド・イェンセン氏は、請求額の1200万クローネ(約2億円)は、欧州人権裁判所が1昼夜縛り付けて拘束したことの代償として、75000クローネ(約130万円)の賠償額を認めた前例に基づいて設定されたと述べます。

トビアス弁護士は、「1200万クローネ(約2億円)という請求額は、1年以上もベルトで拘束されて、壁を見つめることしかできなかったという、男性が病院で受けた虐待の深刻さを伝えるものとなります。」と続けます。

精神疾患患者不服申立委員会は、ベルトによる拘束を拡張させることは却下しましたが、ベルトで拘束すること自体は承認しました。デンマーク人権委員会によると、ベルトによる拘束はデンマークではあってはならない処置となります。モハメド・マッキ氏の弟氏のような患者が入居する精神疾患病院の人的資源が足りなかったという理由で許されるものでは決してなかったのです。

デンマーク人権委員会のシニア・コンサルタントであるニコライ・ニールセン氏は、「資源の不足により長期間ベルトで拘束するというのは、当事者に身体的、心理的にその後も継続する苦痛をもたらすことであり、正当化されません。実際、ベルトによる拘束を完全に廃止した精神疾患病棟の例もあります。従って、ベルトによる拘束を廃止することは非現実的とは言えません。」と述べます。

モハメド・マッキ氏の弟である男性は、2019年2月末に、スレーエルセにある社会保護施設に転居して、ベルトによる拘束から放たれました。

モハメド氏は、「弟は徐々に自分らしさを取り戻してきています。歩くこともでき、話もします。しかし、やっと回復が見られるようになったのは、転居から23か月後のことでした。それまでは、自分自身で影を作ってその中にいるようでした。」

1200万クローネ(約2億円)というのは多額の賠償請求ですが、モハメド氏は妥当な要請であると考えています。ベルトで拘束することが、節約にはならないということを制度自体に警告する意味合いがあるからです。「人生の重さは、お金には代えられないのです。大きな絆創膏を貼ろうとしていますが、傷も大きかったのです。拘束された跡を残りの人生ずっと背負って生き、克服するということはないことでしょう。」

モハメド氏の願いは、他県がこの問題から学び、弟が経験したような、長期間のベルトによる拘束を受ける人が出なくなることです。「多くの患者さんが将来、ベルトで拘束されるという虐待から免れることを願っています。これがこの賠償請求の本質です。」

北ユトランド県は書面で、強制的な拘束が延長されたことを認めましたが、係争中の訴訟については言及できないと回答しました。

更に、北ユトランド県は、モハメド・マッキ氏の弟の訴訟と同時進行で、精神疾患患者不服申立委員会が下した、統合失調症の男性をオルボーの精神疾患病棟が13か月の入院のうち10か月間ベッドに強制拘束は、期間が長すぎた他店において間違いであったという決定事項に対して、その正当性の可否を法廷で争うと回答しています。

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