北欧デンマーク通信
デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について
あけましておめでとうございます!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。
北欧デンマークで私が見聞きすること、感じることをお話しています。
デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。
我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校5年生と、2年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入ったもうすぐ2歳の女子1人と、日本人の私がいます。
そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。
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デンマークの人の結婚と離婚と、多様な家族の形について
デンマーク人の2018年の初婚平均年齢は男性35歳、女性32歳となっていますが、デンマークでは同居をしてから、
例えば子供ができて結婚することにしたという人が多いです。従って、結婚式に、2人の子供が白いきれいなお洋服を着て参列するということが普通にあります。その証拠に、女性の平均初産年齢は29歳となっています。
そんなに慎重に結婚を選ぶデンマーク人ですが、離婚率は47%と、約半分が離婚を経験します。お互い子連れで再婚して、また新しい家庭で子供を設けて、連れ子のお兄さんやお姉さんが出たり入ったりするという家庭がごく普通にあります。デンマーク人は離婚しても、お父さんの暴力などが離婚の原因でなければ両親が共同親権を有するので、例えば平日はお母さんのうちにいて、2週間に1回週末はお父さんのうちに行くという子供がたくさんいます。子供の友達のお母さんと話している時にも、ご自身が出産したお子さんのことを話しているのか、ご主人の前の結婚でのお子さんのことを話しているのか、わからないことがあります。
デンマーク政府は、熱くなった頭を落ち着かせて、冷静に検討した上で決断を下すようにという配慮からか、6ヶ月間別居した後でのみ、離婚を受理するという決まりを設けています。
離婚しても両親は、子供に対する責任があるので、子供が18歳になるまでは、子供がお互いのうちを行ったり来たりする都合上、連絡を取り合う必要があり、両親が離婚した為にお父さんに殆ど会わずに育つという子供は、特別なケースを除いてほとんどいません。
養育費に関しては、両親が合意して支払いを子供が18歳になるまで行いますが、もし両親の間で合意できなかった、または支払いに滞りがあったといった場合には、公的機関が父親の口座から天引きするといった措置が取られ、シングルマザーの経済的負担が父親の責任不履行により不条理に重くならないよう措置が取られます。
デンマーク人女性は経済的に自立しているので、生活の為に離婚をためらうという事が少なく、また、デンマーク人は体裁をあまり気にせず、自分がどう感じるかを人生の尺度として非常に重要視する正直な人たちなので、自分にとって離婚が最適な決断と思ったら、実行に移す人が多いようです。
デンマークは世界で最初に同性婚を法的に認めた国でもあり、同性のご夫婦の方々がごく普通に身近にたくさんいらっしゃいます。主人の友達は、男性の同性のご夫婦なのですが、女性の同性のご夫婦と協力して、精子提供によって子供を作り、2家庭4人でお子さんを育てています。お子さんは1週間毎にパパたちのお家とママたちのお家を往復しています。これはデンマークでもまだ新しいケースのようです。
また、シングルの女性が、精子の提供で出産することも可能なので、お母さんとそのご家族だけという家庭もあります。そういった家庭は、保育園で壁に貼ってある、家族の写真を画用紙に貼ったシートで、お父さん方の家族が出てこないので分かります。お母さんが赤ちゃんが欲しくて、親切な協力してくれる男の人がいて、あなたが生まれてきてくれたのよと言って、本人にも周りのお友達にもはじめからオープンにして、お母さん方の家族に愛情持って育てられます。
デンマークでは、離婚している家庭でも、離婚したのは大人の都合であって、例え2週間に1度の週末以外は一緒に住んでいなくても、その子のお父さんであることには変わりがないという認識があり、通常、お父さんがいる場合には、その子の家族の写真シートにお父さんやお父さん方の祖父母や、その子の片親側だけの兄弟や血がつながっていない連れ子の兄弟なども、その子の大切な家族の一員には変わりないので、登場するのです。その子供から見た視点で言えば全く正しいことですので、オープンなのです。
さらに、子供ができないご夫婦などが外国から養子を迎えることも大変頻繁に行われています。お電話で最初に話した時に名前と発音は全くパーフェクトに生まれながらのデンマーク人で、お目にかかったら私のように東アジア人のお顔立ちだったということはよくあります。赤ちゃんまたは小さい頃に、韓国やエチオピアなどからいらした方に今まで多く会いました。
このようにデンマーク人の家族の形は今や非常に多様で、こうでなければならないといった社会的プレッシャーも低いです。
逆に、日本では、子供の育て方を含めて家庭の問題には行政が介入しにくいという特性があると思いますが、デンマークでは、子供はもちろん各家庭に属するものの、福祉社会にも子供の養育の責任がある、子供は社会の資産という考え方が強いため、子供の成育に不適切な環境だという懸念が保育園や親子用の一時避難シェルターのような機関で報告されると、公的機関が児童心理学や法学や保育学など多角的な専門的視点から判断を下す専門家チームを形成して、その子供にとって最適な成育環境を模索し、子供の成育環境を親元以外の場所に置いた方がいいと判断が下された場合には、親の希望でなくても、里子に出されてしまうということが、日本よりも早く行われます。精神的、肉体的な虐待などを未然に防ぎ、社会的な負の連鎖を防ぐ措置でもあるのだろうと思います。その際には、実の親子が、別々の場所で生活しながら、週1回などの決められた間隔で保育士の保護観察の下に面会するという形で関りを保ちます。そして、例えば親がアルコール中毒だった場合にはそこからの脱却の指導をして、就職して経済的安定を目指す社会復帰の支援をするといった、親の生活環境の向上を導き、数年おきに親子の状況を確認して、子供が親元に帰れる状況になっているかを多角的に判断し、親元に帰っても定期的に状況を確認するということを、子供が18歳になるまで続けます。
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北欧デンマーク通信
北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。
国民みな共働きでライフワークバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、
2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、
ウィンザー庸子がお伝えします。
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