デンマーク人の余暇時間の過ごし方
北欧デンマーク通信
デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について
こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。
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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。
我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校6年生と、3年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った2歳の女子1人と、日本人の私がいます。
そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。
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デンマーク人の余暇時間の過ごし方
デンマークには、東京などにあるような安価で楽しめる、ファミリーレストランや、居酒屋さんや、カラオケやゲームセンターなど、近所に身近にあるようなちょっとした娯楽施設がほとんどありません。
自動販売機ですら、駅にガラス張りの中に商品が見えるタイプのものがたまにあるくらいで、使っている人も殆ど見かけないですし、街中には全くありません。ですので、うちの子供達は、成田に着くとまず日本の硬貨を欲しがります。自動販売機で、自分で選んだジュースのボタンを押して、取り出し口から出てくるのをやってみたくて仕方がないのです。そんなわけで、日本に帰省する時には、飛行機が着いたそばから、ゲートに入って通路を歩き出す所に既にある自動販売機をチェックしに駆け出して、テーマパークに来たかのような大興奮です。
リーズナブルなレストランやカフェは、最近チェーン店ができてきましたが、日本のようなバラエティーには全く富んでいません。日本の都市ほど、安価でもクオリティーの高い外食が様々楽しめて、更にもちろん、超一流のお料理と雰囲気を兼ね備えたレストランが数多く存在する場所はないのではないでしょうか。
では、娯楽が少ないデンマークで、デンマーク人は、残業もしないのに、何をしているのかと言うと、子供が小さい人は、子供の習い事の送り迎えをしている事が多いです。特にサッカーなどのスポーツは、お父さんが送り迎えを担当していることが多いです。お父さんも残業が殆ど無いので、子供の学校や、習い事のお父さん仲間で、パパ友ネットワークができていたりして、職場以外の人脈作りの場にもなっているといえます。
年に各1回くらいは、両親、またはお父さんだけ、お母さんだけが集まるディナー、または誰かがお家を開放してくれて、飲み物かおつまみ持参で集まる会が催され、保護者どうしの交流の機会も作られます。学校や幼稚園では、年に2回夏とクリスマス前のパーティーも催されます。デンマーク人は、職場の同僚とは基本的に年に夏とクリスマス前の2回しかパーティーをしませんが、こうした職場以外でのネットワークづくりが盛んです。
あとは、夏ですと、庭がある人は庭で、アパート暮らしの都市部の人は共同の中庭で、バーベキューをしていることも多いです。週末でしたら、そこに友人家族などが呼ばれて、いわゆる最近英語にもなって日本でも流行りの言葉になっているとも聞きました、「ヒュッゲ」な時間を過ごしていることが多いのです。デンマーク人には、きらびやかな生活や、興奮はあまりないものの、こうした心地の良い、いわゆる「ヒュッゲ」な時間が身近にあります。「ヒュッゲ」というのは、自分にとって心地いい、気が置けなくて楽しいという意味で、それを感じる主体が常に自分自身にあります。体裁を気にしないデンマーク人らしい感覚だと思います。
都市部のアパートに住んでいる人は、郊外に、家族で所有している、または親戚と共同で所有している別荘や、余暇用の「コロニヘーウ」という、週末泊まれるくらいの小さな家屋のついた庭があることが多く、夏季には、そこで花や作物を育てたり、自然の中でのんびりすることを好んだりもします。この別荘やコロニヘーウは、居住地とは別途別荘あるいはコロニヘーウ用土地として指定されており、居住用の土地や家屋に比べて破格の価格設定である代わりに、住所登録ができない、つまり居住用の住居が別途必要となっていたり、冬季には水道の供給が止まって、実質的に夏期のみ使用が可能だったり、年金受給者の未住所登録が可能、つまり年金受給者のみ別途住居が不要だったり、あくまでもスタンスは、セカンドハウスといった位置づけがなされています。
冬は、クリスマス前にはクッキーを焼いたり、プレゼントを家族全員に用意したり、テーブルの上にろうそくの火を灯したり、暗く寒い冬の室内を楽しい空間にするように、努力します。クリスマスはデンマーク人にとってお正月のような意味合いを持つので、長い冬の気が紛れるようです。イエス様は、きっと北欧の人たちの為に、丁度冬至で一年で日が一番短くなる12月の終わりに生まれてきてくださったのだろうなと思ってしまいます。
デンマークでは税金が高いので、デンマーク人は、いざという時には福祉社会がサポートしてくれるに違いないという安心感と共に生活していながらも、その為にあまり極端にお金持ちになることはできません。また、ほとんどの人の生活や食生活は地味で、娯楽も選択肢も少ない環境に暮らしています。
更に、男女が共に仕事を持っているために、日本の方のように身を粉にして働いていないけれど、誰もがやはりそれなりには忙しく、小さい子の子育て真っ最中だったりすると父母共に送り迎えに奔走し、忙しいためか、正直なためかわかりませんが、うまくいかなくなる家庭も普通にあって、2組に1組が離婚を経験します。そのような状況の中で、余暇時間の使い方も、子供やうち中心の、ささやかな物が多いです。
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北欧デンマーク通信
北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。
国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、
2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、
ウィンザー庸子がお伝えします。
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