デンマークのLGBTのホームレスの体験談
北欧デンマーク通信
デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について
こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。
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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。
我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、中学校1年生と、4年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。
そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。
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デンマークのLGBTのホームレスの体験談
デンマーク国営放送の記事で、匿名でインタビューを受けたLGBTの元ホームレスの青年の話がありました。
女性としてユトランド半島の片田舎で生まれたジェイミー(仮名)は、自分のアイデンティティーと身体的な性が異なることから、自分自身や両親と問題と抱え、精神的に苦しみました。その為、よく学校で喧嘩をしたり、両親と意見が合わないことがありました。ジェイミー自身、思い返してみると、自分を傷つけたり、摂食障害になる人が多いなど、自分と同じく、自分自身を優先することに悩んだり、自分自身を受け入れられないで苦しむことが、LGBTの人に共通していると言います。
最終的に市がジェイミーの問題に介入してきたことから、もうたくさんだと思ったジェイミーは2015年、15歳の時に家を出る決心をしました。通常はデンマークの若者は18歳以上で家を出ますが、ジェイミーが独立したのはそれより早い15歳でした。
コペンハーゲン行きの電車に乗り、最も乗降客数の多いのアポート駅までたどり着きましたが、泊まる場所のあても、これからどうやって生きていくのかのあても、ジェイミーにはありませんでした。
年配のホームレスの人達のグループが寝る場所を教えてくれたり、助けてくれようとしましたが、ジェイミーは一人で寝ることを選び、少し郊外の隠れた場所で眠りました。友達が、夜頭におしっこをかけてくる人に起こされたという話を聞いたからです。しかしとても寒かったので、その後、若いホームレスのグループと一緒に寝たりお酒を飲んだりしましたが、彼らは時々両親のもとに帰れるのに対して、自分にはその選択肢がないことに気づき、彼らとは離れることにしました。
ジェイミーは幸い180㎝で肩幅も広いので、多くのホームレスとなった少女が直面する問題からは逃れられました。28歳くらいの男性が、麻薬やお酒を上げるからということで、14歳くらいの少女を家に連れていくというようなことがよくありましたが、ジェイミーは、そういったことからは離れていられました。
しかしながら、LGBTであるジェイミーには、寝る場所を見つけるということが問題となりました。
ジェイミーはLGBTであるが故に、ホームレス用の宿泊施設にも泊まりませんでした。ホモセクシュアルやトランスジェンダーといったLGBTの人が、どのように扱われるか聞いていたからです。ホームレス用の宿泊施設を利用するには、マイナンバーを申告する必要があり、最後の一桁が偶数か奇数かが身体的な性別を示すので、男性として生きているジェイミーの身体が女性であることが分かってしまいます。ジェイミーは差別を恐れました。そして、身体的な性別を知られた時に、どこに送られるのかも心配しました。ホームレス用の宿泊施設は男女別の設備となっているので、男性用棟で寝るのが安全と言えない危険もありました。
泊まる所が一定していないということは、LGBTであるジェイミーにとって、トイレに行くのが困難であるということも示しました。男性用トイレに入る時はいつも、男性用の簡易トイレで用が足せないことに怒り出す人がいないか心配でした。女性用トイレに行くのもジェイミーにとっては変な感じすぎるし、他の女性を怖がらせないかと思い、女性トイレにも行けませんでした。
デンマークでは、何人のLGBTの人がホームレスになっているかの調査はありませんが、米国や英国の調査では、24-40%のホームレスの人がLGBTであるという結果が得られたと、デンマークのNGOである「LGBTとホームレス」は述べています。
ジェイミーも、大変多くのLGBTの人がホームレスになっていると言います。しかしながらLGBTのホームレスの人は、ジェイミーと同じく、差別が暴力に発展するのを恐れて、ホームレス用の宿泊施設や日中滞在施設といった社会福祉サービスを受けないので、その実態が隠されているだけだと言います。LGBTのホームレスの人の安全を守るためには、LGBTの人用の社会福祉サービスが必要だとジェイミーは述べます。
ジェイミーが男性として生きていくことに決めたのは、年配の元ホームレスのLGBTの人がアパートに住まわせてくれたことがきっかけでした。その時の家主さんからの約束は、麻薬はしない、何か人生にとって有益なことをするということでした。
そこで、ホームレスがお金を稼げるようにNGOが主催しているホームレス新聞を販売することに決めたジェイミーは、新聞を取りに行って、新聞が売れやすい午前中に売りに出るために早く起きるようになり、生活に枠組みができました。リサイクルでお金になるペットボトルも集めすようになり、学校にも行き始めました。
現在ジェイミーは21歳で、仕事が見つかり、自分で契約してアパートを借りることができ、一緒に住む恋人もできました。車も買いました。この春からは新しい学校にも行き始めます。両親は未だジェイミーが男性になったことを完全には理解していませんが、ゆっくりと受け入れるようになってきて、またスマホのメッセージや時には電話で、連絡を取るようになりました。
ジェイミーはLGBTのホームレスの人への待遇を改善する運動も始めました。LGBTでホームレスになっても、普通の人生、いい人生を築けるということを伝えたいと言います。
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北欧デンマーク通信
北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。
国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、
2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、
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