デンマークで、タブーに挑戦する子供番組

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校6年生と、3年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークで、タブーに挑戦する子供番組

デンマークの子供番組には、日本やアメリカでは到底受け入れられないと思われるキャラクターが登場します。

デンマークでは、やる気なく、友達をだましてクッキーなどをせしめてほくそ笑むバムセという熊の人形や、お風呂に入るのは嫌だと歌ったり、ブロッコリーが大嫌いでお菓子を食べると言うちょっとこぎたない風体のエビおじさんが長年子供達の人気を集めています。

エビおじさんhttps://www.dr.dk/drtv/ramasjang/onkelreje

バムセhttps://www.dr.dk/drtv/ramasjang/bamse

デンマークの子供番組の展開に、大人には見える隠れた啓蒙的な要素が含まれていないのを見て、子供と共に驚いたことが何度もありました。日本からより良い子供になれるようにという願いが込められたしまじろうやアンパンマンを同時に見せていた私には、デンマークではこんなのでいいの?という驚きでした。

以前日本のスーパー戦隊番組がアメリカに輸出されて、ヒーローの衣装を着ていないシーンだけがアメリカ人を使って撮り直されているのを知ったとき、性別と人種の比率が偏りなく配役されているのを見て、驚いた時とは逆の方向性の驚きでした。

アメリカでは、次の社会を担う子供が性別や人種に関して無意識の内に差別感情を刷り込まれないように配慮し、また制作会社もその批判を受けないよう未然に対策しているのだろうということが分かりましたが、デンマークでは、こうした大人の配慮が子供番組から意図的に排除されているようでした。

デンマークの子供に対する全般的な姿勢を垣間見てきておりましたので、子供番組に関しても、デンマークでは、大人が子供に見せるものを決めるのではなく、子供の目線を尊重して、大人のバイアスをかけずに、子供がその年齢の時に面白いものを届けるのが、子供の心身の健やかな成長をはぐくむという考えなのだろうとは分かりました。

デンマークでは、教育においても、早く大人らしく振舞えるようになることが求められずに、その年齢を生ききってから次の年齢に進むということが大切にされています。例えば、義務教育の9年生が終わると、デンマークでは本人の希望に応じて、高校教育に進む前に集団生活をして演劇や現代音楽やスポーツなど自分を表現できる今の関心事を追求する10年生という学級が設けられています。

この10年生という期間は、義務教育を9年間受けてきて、自分の人生をこれからどうしていくか考えあぐねてしまったティーンエイジャーが、自分のやりたいことを見つめ直してから、自分の人生に対する明確なビジョンを持って高等教育に進む為の、猶予期間のような同年代の友達と共同生活をして民主主義を学ぶ時間となります。こうした時間を、教育のシステムの中に組み込んでいるデンマークの教育制度は、面白いなと常々思います。私にもこんな選択肢があったら、今とは違う人生を目指していたかもしれないと思うのです。

子供に露出するメディアの役割の一つには、道徳を教えるということがあるべきではないかと日本人の私は思ってしまいますが、お風呂が嫌いな子供達の人気者エビおじさんは、とあるライブイベントで、ハードロックのパフォーマンスの中で子供達に、君たちはサタニスト、つまり悪魔主義者かと問いかけて叫んでしまったそうで、そこに子供と共に参加していたキリスト教団体の代表者が面食らって抗議し、現在デンマーク国営放送からお出入り禁止となっているそうです。やりすぎると、さすがにデンマークでも良識ある大人からの待ったがかかるようです。。。!

エビおじさんのやりすぎには目をつむれなくなったデンマーク国営放送ですが、最近ジョン・ディラマンという子供番組を始めて、物議をかもしています。デンマーク語でディラマンというのはおちんちんの意味で、その名の通り、ジョンは世界で一番おちんちんが長い男性なのです。ジョンは様々な困難に遭遇しますが、世界一長いおちんちんを駆使して、問題を解決していきます。

子供番組の主人公の特徴がおちんちんということに関しては、デンマーク人の中でも、賛否両論ですが、子供が純粋に面白いと思うことを追求していて性的はニュアンスは含まれていないので問題ないという意見や、大人でも子供と同じように困難に合うことがあり、その困難を解決していく過程がこの番組の肝であるので問題ないという意見や、男性のおちんちんが強調されるならば、女性のお股も同時に登場していなければバランスが取れていないという私には想定外の意見が出ています。

ジョン・ディラマンhttps://www.dr.dk/drtv/episode/john-dillermand_-john-lufter-hunde_227288

一方で、子供にアンパンマンを見せていた日本人の友人は、デンマーク人のご主人に、アンパンマンはちょっと暴力的じゃない?と心配されたと聞いて、仰天したことがあります。正義の味方アンパンマンが暴力的だとは思ってもみませんでしたが、確かに、考えてみると、いたずらしたとはいえ、バイキンマンをアンパンチで暴力的にやっつけて問題を解決するのは、子供にとって好ましい方法を教えているとは言えないとも言えるかもしれません。しかし、アンパンマンを見て暴力的になる子供は日本にはいないと思われますので、デンマークでエビおじさんがお風呂に入らなくても、バムセが友達のクッキーを取ってしまっても、ジョンがおちんちんを駆使して問題を解決しても、子供は子供なりに、情報を取捨選択して成長していくと言えるのかもしれません。

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北欧デンマーク通信 

北欧の福祉や環境政策、さらには心地良いを意味するヒュッゲで知られるデンマーク。

国民みな共働きでワークライフバランス重視の考え方、生き方の、実際どうなの?を、

2003年からデンマークに在住の公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーター&主婦で3人の母親の、

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