デンマーク人の生活と考え方ー保育園について


デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校4年生と、1年生と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った子と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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保育園について

デンマークでは、ほとんどの女性がフルタイムまたはパートタイムで仕事をしています。

これは、1960年代からの女性解放運動で女性が勝ち取ってきた権利でもあり、

所得税が所得の約半分以上、つまり手取り収入が額面の半分にしかならない、また消費税は一律25%と、税金が大変に高いので、女性も外に出て働かないと、家計が成り立たないという事情もあります。

また、デンマーク政府の方も、所得税が国民の収入の半分以上を取る体制ですので、

福祉社会の財源を支える担い手として、就業年令に達している人は、男性でも女性でも大いに働いてもらいたいと考えています。

国民の約半分を占める女性も働いて収入を増やしてもらわないと、国の税収も半分に減ってしまうからです。

そこで、保育は保育園で、介護は、要介護度に応じて在宅で生活できる人は介護ヘルパーさんのサポートを受けて、在宅での生活は難しいと判断された人は高齢者入居施設で生活し、育児や介護が要因で仕事ができないという人がいないようにしています。

つまり、保育で言えば、デンマークには半日で終る幼稚園というものはほとんどなく、保育施設はほとんどすべて、7時から(場所によっては6時半から)17時まで(金曜日は早めに勤務を終える人が多いので16時までという園も多い)開いている保育園となっています。

子供の生後6ヶ月後から、その子の住所の4km以内の保育園に入れるという保証を市町村がしていますが、実際には、ほとんどの人が失業保険組合を通じて有給の育児休暇を取得しているので、ほとんどの子供が生後8ヶ月ー1年位で保育園に入ります。

デンマークの保育園は、0歳時から2歳半までのデンマーク語で「ゆりかごの居間」と、2歳半から56歳までの「子供の庭」に分かれており、保育士の数が、「ゆりかごの居間」では大体子供3人に一人、「子供の庭」では子供56人に1人となっています。

「ゆりかごの居間」でも、「子供の庭」でも、それぞれのクラスは、ほとんどの園で年齢で別れておらず、0歳から2歳半の子供の混合、2歳半から6歳までの子供の混合となっていますが、大抵の園では、週に12回、年齢別に集まる時間があり、それぞれの年齢に合わせた活動をしています。特に、学校に入る1年前からは、「学校(準備)グループ」というグループで、先生のお話を(ほんの短い時間)静かに聞く練習や、なにかみんなで一つのものを作り上げて発表をする練習や、少し文字を使って遊ぶ練習をします。

しかしデンマークの保育園では、いずれの年齢においても、殆どの場合、お勉強的なことはほとんどしません。その代わり、早い年齢から殆どの子が集団で生活をする中で、民主主義を学んでいます。デンマーク人は、民主主義という言葉が大好きです。デンマーク人の考える集団で守るべきルールとは、人の自由や自己決定権を侵害しない限り、自分の自由や自己決定権は尊重されるということだと思います。

日本には、デンマークにある森の幼稚園が導入されて、森で主に活動をしている幼稚園があると伺っております。実際、森の幼稚園をご視察されたいというご希望もたくさんあります。森の幼稚園でなくても、普通の街の保育園の子も、デンマークの幼稚園では、よく森などに散歩に出かけて、自然の中で活動をすることが多くあります。

コペンハーゲン市では、実は、森の幼稚園というのは、コペンハーゲン市で人口が増えて、保育園が足りなくなってしまった時に、郊外にコペンハーゲン市が土地を買って保育園を建てて、毎日コペンハーゲン市内のある箇所からバスを出して、生徒を郊外の森の中にあるコペンハーゲン市所有の保育園に入れたという経緯があります。

これは、保育園の需要増に対応し、街の子が自然の中で育つ素晴らしい機会を提供するる大変よい施策ではありますが、毎日1時間半から2時間もバスに乗って保育園に行って帰ってくるよりも、近所の保育園で最初からのびのび遊んだほうがいいと考えるデンマーク人も多くいますので、デンマークの子全員が森の保育園に通っているわけではありませんが、

デンマークの保育園では、森にあろうが、街にあろうが、2歳半から5,6歳の子が通う「子供の庭」では、雨の日も雪の日も外で2時間以上遊ぶことになっていて、森の幼稚園でも、街の保育園でも、子供はのびのびと、たっぷり外で遊んだりご飯を食べたりして、早いうちから集団生活の中で同年代の子と長時間一緒に生活する上で守るべきルールを学びます。

森の幼稚園にもいろいろありますが、森という立地を最大限活かした幼稚園では、お昼寝も外で寝袋、朝の集まりや昼食は夏場は東屋のような屋外の屋根の下で、冬場は大きなテントの中で、創造的な活動は外で丸太をのこぎりで切ったり、切り株や丸太でできた飛び石(木ですが)を渡ったり、ブランコも大木が伸ばす枝にロープと板で作ったものだったり、幼稚園の子も手伝って木で作った海賊船で海賊ごっこをしたりと、自然を十分に活かした保育を行っています。

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ウィンザー庸子がご紹介します。

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