NGO フス・フォービと、デンマーク最大市中銀行ダンスケバンクの共同事業
フス・フォービ・モバイルペイによるホームレス新聞キャッシュレス販売プロジェクト
デンマークで進むキャッシュレス社会に関心が高まっています。
デンマークでは、ホットドッグの屋台でもタクシーでも、ほとんどの所でカードが使え、キャッシュレス社会が進んでいます。2018年は日本経済新聞さんや調査会社さんから、キャッシュレス社会に関するご依頼がありましたので、ご報告させていただきます。
フス・フォービというのは、ホームレスの方を支援するNGOである。登録してある約2600名のホームレスの方がたは、フス・フォービというホームレスの方々の現状などの社会問題を伝える新聞を、このNGOから安価で購入し、人々がよく通るスーパーの前などの街頭で販売して、収入を得ている。(デンマーク語で、Hus=家 forbi=通り過ぎてしまうの意味。www.husforbi.dk)
一方、近年のキャッシュレス化によって、スーパーに行く際にスマホやカードから支払いをするので現金を持参しない人が増え、フス・フォービを買ってホームレスの方を支援したくても、購入できないことが多くなり、ホームレスの方々の収入が減ってきているという問題があった。
デンマーク最大の市中銀行ダンスケバンクは、スマホのアプリから、個人またはお店に、銀行の口座番号を知らせなくても電話番号のみで送金できる「モバイルペイ」を導入し、デンマークに広く普及している。(現在ではモバイルペイは独立した企業になっている。https://www.mobilepay.dk/)
通常モバイルペイのアカウント開設には、デンマークの銀行に銀行口座を持っていることが条件となり、銀行口座開設には、住所や公的な書類などが必要であるが、NGOフス・フォービとダンスケバンクは協働して、ホームレスの方々が、フス・フォービに登録している販売者であれば、販売の際の支払い受け取りと、収益の引き出し用に、特別のモバイルペイ番号を付与するプロジェクトを始め、当初35名のホームレスの方と事業を始めたが、これを2017年5月には500名に広げ、事業を拡大している。ホームレスの方方は電話を持っていないことがほとんどだが、購入者がモバイルペイ用の電話番号に送金し、これをダンスケバンクのカードから、ATMで引き出せる。
キャッシュレス社会で主に懸念される、社会的弱者の方々が、キャッシュレス社会から取り残されるのではなく、恩恵を受けることができる仕組みを構築する取り組みである。 https://danskebank.com/da/news-og-insights/nyhedsarkiv/news/2017/03052017
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