デンマークでコロナワクチンの優先接種を求めた市長

北欧デンマーク通信

デンマークの教育や生活、働き方、制度やデンマーク人の考え方について

こんにちは!デンマーク公認ライセンスガイド・通訳・コーディネーターのウィンザー庸子です。

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デンマークの人口は約580万人で、これは兵庫県の人口規模とほぼ同じとなっています。ちなみに、コペンハーゲン市の人口は市内が約65万人、市外の住宅地なども入れたコペンハーゲン圏では約130万人で、これは神戸市の人口規模に匹敵します。国土の大きさは九州くらいです。

我が家には、デンマーク人の主人、デンマーク人でもあり日本人でもある、小学校6年生と、3年生の男子2人と、1歳のちょうどお誕生日の日から保育園に入った3歳の女子1人と、日本人の私がいます。

そこで私たちがデンマークで生活する中で感じる、デンマークの教育や、仕事や、生活や制度、デンマーク人の考え方について、お話したいと思います。

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デンマークでコロナワクチンの優先接種を求めた市長

デンマークでは、65歳以上の方と、医療・介護関係者と、社会運営上重要な職に就く人と、重篤化の危険のある基礎疾患を持つ方などの接種が終わった後、64歳以上の接種の順番をどうするかの議論がなされました。結果的には、年齢順に、60-64歳、55-59歳、50-50歳と、50歳まで接種した後、16-19歳と45-49歳、20-24歳と40-44歳、25-29歳と35-39歳、最後に30-34歳という順番となりました。

これが決まるまでには、沢山の意見を言う人が出てきていました。

前デンマーク感染症血清研究所の所長さんは、感染者の多い地区、それは特に移民や低所得者の方が多い地区なのですが、そういった地区から接種するのが感染拡大防止に効果的と言って、その市長達がうちの市を優先すべきと訴えていたり、

60-64歳を優先すべきで、その後は年齢順がいいという意見があったり、

逆に若者からが感染拡大防止に効果的という意見があったりしました。

今日はその中でも、地域差をつけて接種の順番を決めるべきだという意見を紹介します。

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デンマークでは2021年2月、ユトランド半島の市民よりも、より感染者の多いコペンハーゲン郊外ヴェストアイン地区の市民に先にコロナワクチンを接種すべきだという嘆願が、ヴェストアイン地区の複数の市の市長から出されていました。

ヴェストアイン地区は、移民や移民のルーツを持つ市民や生活保護受給者や低所得者が多く住んでおり、ゲットーに指定された地域を有する地区です。

政権党の社会民主党所属のイスホイ市長オーレ・ビエアストープ氏は、「高齢者と重篤化の危険の高い人々の接種が終わった後は、感染者の多い地域の市民に接種するのが感染拡大防止に有効なはずです。デンマーク西部に比べて感染者が多い地域がコペンハーゲン郊外ヴェストアイン地区です。」と述べました。

同時にオーレ氏は、感染防止に努めなかったイスホイ市民が得をすると考える人が出るかもしれないということには、一定の理解を示します。「そうした見方もできますが、しかし、デンマークのコロナ感染拡大という問題を解決する為には、感染率の高い地域に対して対策を取ることが、デンマーク全体の利益につながるのではないでしょうか。」

ヴェストアイン地区の市長達は、デンマーク感染症血清研究所の前所長ニルス・ストランベア氏が、「ヴェストアイン地区をはじめとする感染率の高い市の市民は、他の市の健康な成人の前に接種すべきです。」と述べたことに同意していました。

ニルス氏は、「最もコロナ感染が拡大している、例えばコペンハーゲン郊外ヴェストアイン地区の市や、コペンハーゲンやオーフスやオーデンセといった大都市の、社会的に問題を抱える公団に対して接種を開始するのが賢い選択です。」と述べていました。

ヴェストアイン地区に属するグレヴェ市長で野党ヴェンストラ所属のパニーレ・ベックマン氏も、「ユトランド半島よりも感染率が高く、人々が狭い住居にひしめき合って生活しているヴェストアイン地区やコペンハーゲン市の接種を先にした方がいいことには合理性があります。」と述べました。

ヴェストアイン地区に属するヴァレンベック市長ヘンリック・ラスムセン氏も、「感染率が最も高い地域から先に接種して、デンマーク全体に広げないようにすべきだと思います。」と同意していました。ユトランド半島の市民が、「なぜ自分達は後回しにされなければいけないのか?」と不公平に思わないかという問いに対しては、「誰が先に接種するかではなく、感染拡大を防ぐということが本質なのです。更にコロナの影響を最も受けている地区に対して対策を取るというのは、人道的にも正しいことだと思います。」

保健庁のコロナワクチン接種計画では、高齢者及び重篤化の危険を有する人と医療関係者の接種が終わった後には、3百万人が対象となる16-64歳の健康な成人への接種が始まります。しかし例えば60歳以上の人を先に接種するのかなど、その3百万人への接種の順番はまだ決まっていませんでした。そこで、ヴェストアイン地区の市長達は、感染者の多い地区である自分達の市民の接種を先にすべきだと考えていました。

実は、上述のデンマーク感染症血清研究所前所長ニルス氏は、感染抑止の観点から、田舎に住む人よりも大都市に住む人に先にワクチン接種するという地域的な差をつけることだけでなく、コロナ感染拡大の原因となっており感染率も高い若者への接種を優先することも提案していました。

政府は結局、地域別では差をつけずに、年齢別に重篤化リスクの高さと感染拡大への影響を鑑みて、接種の順番を決めました。感染防止と社会経済をいち早く立て直すには何が最も効果的か、デンマークでは様々な論点を持つ専門家が、意見を戦わせましたが、地域差をつけることは、感染拡大防止には寄与したかもしれませんが、機会の公平性の観点から受け入れ難かったようです。

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